「店長、サイタマさん喜んでくれて良かったですね」
「うん、笑顔が可愛かった……」
事務所に戻ってからもホワホワしている店長に声を掛けたら、余計にホワホワしてしまった。
「それにしてもあの二人、仲良いですね、付き合ってたりして」
思ったことをそのまま口に出し、すぐにしまった、と口を手で押さえて店長を窺い見る。しかし意外にも、先程のホワホワした微笑みのままだった。
「あの、店長?」
「うん、ジェノス君とうちの店に来るようになってから、タイムセール商品を買える機会が増えたようだし、前よりも表情が明るいから、ジェノス君には感謝しかないよね」
「なるほど」
どうやら店長は同担歓迎派、というより、推しが幸せなら自分も幸せというタイプらしい。
ふたりのヒーローのおかげで、むなげやは今日も平和です。
―終わり―